うりんぼうのHPへようこそ!店主、料理人、きき酒師、発酵料理研究家の佐藤紀子です。
29歳の時に、私はイタリアンの料理人から和食に転向しました。勤めてたお店が閉店になり、暇になった私は、本場の味を知りたいと思い、ふらっとイタリアに1人旅をしました。そこでイタリア人の、地元の料理と地元のお酒(ワイン)を愛する心にすっかり感銘をうけてしまったのです。「日本人なのに日本料理ができない(知らない)と恥ずかしい!今すぐ和食に転向しなければ!」 そこで、遅ればせながら和食のお店で働き始め、和食との相性が抜群で奥深さを感じる日本酒に出会いました。当時、空前の焼酎ブームに突入し始めた頃です。
日本酒が大好きになった私は、「なんで世間は焼酎、焼酎って、こんなに騒いでるんだろう?なんで栄養価が抜群で体にもよく、和食に合う日本酒を置く店がまったくないんだろう?あってもお酒は冷ばかり。美味しいぬる燗が飲みたいのに、どこの店もそれに応えてくれない・・・。それなら、もう自分で造るしかない!」と思い立ちました。
2005年7月より物件探しを始め、同年10月より浦和の物件契約、内装工事に入りました。私も知り合いの大工さんと一緒に、店舗デザインや材料選び、塗装、囲炉裏作りなどを行いました。
それと同時並行で、埼玉に36蔵ある酒蔵を順にまわりました。そこには、たくさんのいいお酒、すばらしい蔵元さんたちとの出会いがありました。
さらにそれは、埼玉の美味しい食材や野菜、米、醤油などの調味料を作っている人たちとの出会いにも繋がっていきました。埼玉って、長年住んでるけど私は何も知らなかったのです。こんなにもいいお酒、食材、いい人たちがいるってことを!埼玉はイタリア人にも自信を持って自慢できるのです!その時の感動は今でも忘れることができません。
そして、数々の苦難を乗り越え、2か月後の2005年12月24日に無事開店することができました。34歳の時です。このようにして、私は”自分の店を持つ”という夢をかなえました。そして理想の店への追及は現在もなお続いています。
オープンして数年は、お客さんや知り合い、酒蔵さんまでもが「日本酒だけの店、しかも埼玉の酒だけなんて絶対続かない」「焼酎置かないと客が来ないよ」「すぐつぶれると思ったけどまだあったの?」「ぬる燗がおすすめ?お酒は冷でしょ!」「十四代とか、埼玉なら神亀とか、有名銘柄をおかないとだめだよ。」などなど散々な言われようでした。今考えると、そう言われたからこそ、今があるのだと思っていますが、当時は「だったら違う店に行ってください」なんて言い返したりして随分とがってました。若気の至りだったと反省しております。今ではすっかり丸くなりました。ただ、これからも反骨精神は忘れず、自分の信じることに前向きに挑戦していきたいと思ってます。
2022年7月、浦和高砂再開発のため大宮に移転し、新たなスタートを切ることになりました。開業当初のコンセプトはそのままで、さらに日本酒に寄り添う”発酵”をテーマに加えました。家庭菜園レベルですが、無農薬の野菜作りにも取り組んでいます。今まで以上に皆様に喜んでいただけるようなお店を目指し、これからも努力を重ねていきます。よろしくお願い致します。
どうぞみなさま、うりんぼうで埼玉の地酒と肴、そして発酵の世界をごゆっくりご堪能くださいませ。
ご興味ある方は、私のブログ”うりんぼうのこだわり”を御覧ください。”うりんぼうができるまで”のテーマで、開店までの大事件、すったもんだを記録しています。1(浦和編)、2(大宮編)があります。皆様の少しでもお役にたてることがあれば幸いです。